日本炎症性腸疾患研究会 IBD市民公開講座。学会のあとに開かれます。あんま人はいないかな。ネットをいろいろ探したけれど去年のしか載ってなくて探すの大変だった。病院の診察室でちらしを見つけたのでした。
今年も行ってきました。学校の授業のように眠くならずずっと聞いてられます。
今回は「子供を産むためには?」「小児患者について」「外科療法について」「食事のお話」「患者さんのお話」の五つ。
以下、自分のメモと記憶を参照。かなり気をつけていますがもし間違いあったらごめんなさい。主観的にメモしたので抜けている話もあります。
----------導入----------------
CD(クローン病)について。ここ5年で治療が大きく変わってきた。トップダウン方式、薬の使い方、レミケード等。
研究班は厚労省の中でもTopクラス。(何をもってTopと言っていたかは忘れた)
---------挙児を希望する患者のために------------------------------
当院での妊娠率UC(潰瘍性大腸炎)で92%,およその平均は90%,CDで80%,全体でほぼ60%(栄養障害などによる)
サラゾピリン服用で精子数減少だが、薬をやめれば元通りになる。
→出産について、病気との関連は認められないと言っていいだろう。
病気の活動期だと統計的に流産等の頻度が増す。
妊娠後の再発がある例もあり。
緩解半年以上で妊娠、出産したほうが再年率は低い。1年以上だと重症度までが低くなる。
妊娠中の薬物の影響について、必要最低限の薬にすることが必要。
CDの場合免疫抑制剤の安全性が確立されていない為現在は使わない。
レミケードと異常妊娠との関連はないと言っていい。
栄養療法には注意が必要、ビタミンAは少なくするべし。
--------------小児患者さんをもつ両親のために----------------
以下UCの場合。
小児の場合、確定診断が遅れる、薬の量が複雑、怠薬が多い、成長を考慮しての治療が行われる。
合併症:低身長、栄養障害、性早熟、心身症etc
0歳から発症する。
成人型と比較すると、重傷型が多い。全結腸型が多い。部分的でもすぐばっと全体に広がることが多いらしい。
手術時期が遅れる。(親の納得を得るのに時間がかかる。)
成長障害も手術適応になりうる。
以下CDの場合。
消化器症状でなくて関節炎が先行する場合がある。リウマチ持ちが突然下血して診断、という例を紹介してた。発熱や間接リウマチとして治療されていることもあり、診断が遅れる。治療は長期に。
乳児期は重症が多い。
カロリーは成人の1~2割増をとる。
栄養療法は実行可能?(子供だけに、盗食等も多い。おこづかいを持ってでマクドに行ったりとか。)
レミケードの投与をいつまで続ける??
白血球除去療法が効くのではないか?と言われている。
内視鏡が困難。
やせているだけでなくて肥満であることもある。
身長、骨密度は治療によってだいぶ改善する。
学校関係の問題。登校拒否になったり(例:先生にお腹痛いといったらたるんでるからだ、と言われたため。)、修学旅行を学校側が拒否したり(主治医が頭にきて先生にかけあって、宿泊先の隣の宿に母親と泊まることで許可が出た。)。が、修学旅行もホームステイも十分に可能である。
エレンタールを学校でどう飲むか??(例:最初は家→保健室→教室でみんなと飲めるようになる)
進学もほとんど可能。就職、生命保険、行政、その他も同様。
家族がまいってしまう。逃避という例もあるらしい。(父親の失踪、母親の宗教入信など・・・)
-----------------------もっと知ってもらいたい外科手術-----------------------
以下UC。
大腸の役割:水分、電解質の吸収、便の形成など。
UCでは大腸全摘が有用。(過去は一部摘出だったりしたがその後の再発率が高いため〜確か9割くらい〜今は全摘が主流)小腸で再建する。
絶対的適応と相対的適応について。
外科治療の進歩:死亡はほとんどなし、永久人工肛門も今やなし。
以下CD。
術語再発率は??〜〜UCとは違って5年で33%、10年で67%。
→なのですぐに手術をする必要はない。
狭窄手術に関して。狭窄形成術。狭窄部分を摘出するのではなく、切り取らないで残す方法。(潰瘍に対して横に切って縦に縫い合わせると狭窄部分が広がる)
瘻孔等の場合は切除しないといけない。炎症を押さえてから、かつ機を逸しないで手術することが大事。
痔瘻へはシートン法など。→改善しない場合はストーマに。
最近の手術の工夫。できるだけ温存すること、腹腔鏡も場合によって可能に、レミケードとの併用など。
だが欠点もある。→日々進歩しています。
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あとは食事のお話と、患者会とかで活躍なさってる患者さんのお話でした。(メモしなかったのとだいたいわかってる話だったので書きません。書けません。すみません)
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最初の二つの話は関係ないから最初は興味なかったのだけれど、聞いてよかった。
特に小児患者の話が印象的でした。
子供の場合は大変だと痛感しました。育ち盛りの食事制限ってしんどい・・。学校でも大変だろうし。大人以上に周りの助けが必要だ。成人とは違うこともたくさんあることを初めて知りました。
父親の失踪って・・・、宗教って・・・。でもその気持ちもわからないではない・・。
小児科の先生に炎症疾患系の知識がないという背景から診断が遅れる、という面もある、ということも課題にあげていました。
自分よりずっと大変だな、と思います。
最初は寝ちゃうな、なんて言ってた母親も最後までちゃんと有意義に聞けたらしく満足してました。
入院でもしないかぎり先生の話をじっくりゆっくり聞く機会もなかなかないわけで、非常にいい機会でした。
来年も同じ場所で12月の最初にやるはず。毎年の恒例行事かな。
勉強になります。
惜しむらくは、最近の治療最先端とかそいいう話を毎年してくれるといのだけれどなぁ。
2007年12月3日月曜日
日本炎症性腸疾患研究会 IBD市民公開講座
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自己紹介
- Daisuke Fujita
- 大学院生。クローン病。